
ゲスト対談・特集記事
連載
庄内から世界に向けた商品を ~ 玄米デカフェのブランドマネージャー募集にあたって~

Part.3 おもしろがれる能力があるか
MNHにおける現在の玄米デカフェの体制についても触れておきたい。
製造は、お伝えした通り、庄内町にある工房で行っている。
玄米デカフェに興味を持っていただける先は、国内ではJAや道の駅などが多いため、営業活動は現状、インサイドセールス(電話営業)を中心に行っている。加えてクロージングをするセールスチームのメンバーもいる。
ブランドマネージャーは、それらを統括していく立場である。
具体的には、どんな目的で、どんな営業をかけるかを考えてセールスチームに指示していく。
製造現場を回すこと自体はしないが、彼らの技術や製造キャパシティなどを把握し、密接な連携が必要になるだろう。
スペシャリストを繋ぎ合わせる
ところで、特定の製品のブランドマネージャーというと、その分野に詳しかったり、ゆかりがある人だったりする方がいいのでは、と思う方もいるだろう。
しかし、そこはちょっと違う。
もちろんコーヒーや玄米が好きな方は歓迎するが、必要なのはその道のプロフェッショナルを探せる人だ。プロフェッショナルたちを探して、つなぎ合わせて、どうやったら自分の事業に活かせるかということを、考えられる人が一番望ましい。
そういう点から一例を言えば、今後、バリスタやコーヒーソムリエ、米農家の方などをつなぎ合わせる、というようなこともあるだろう。
もう一つ、そこを「おもしろがれるかどうか」も大切だ。
私自身の例で言うと、MNHの「マッチ箱博物館」という商品がある。鉱物や化石をマッチ箱に入れて販売しているが、私自身は最初、“石”には全然興味がなかった。
ただし、事業を考えるにあたって、いろいろな石の良さを調べたり、どんな人が喜ぶかを考えたりしていくうちに、だんだん興味が湧いてきた。不思議なことに勝手に好きになってくるのだ。
フェンシングの事業もそうだ。
最初はフェンシングという競技に興味はなかった。しかし、フェンシングというスポーツの価値や、クラブのカリキュラムなどを考えていくうちに「こんなことをしたらおもしろいんじゃないか」とアイデアがどんどん湧いてきた。
そして今ではフェンシングが好きになり、実際にやっている(笑)。
そんな風に、その領域をおもしろがれる能力があるかどうか。
そちらの方が大切だと思っている。
よそ者・若者・ばか者がいい
地域を大きく変革する人の3原則をご存知だろうか。
「よそ者、若者、ばか者」がいいと言われている。
よそ者は、外部から、内部の人には見えてない地域の魅力を、客観的に見ることができる。
若者は、エネルギッシュに新しいことにチャレンジできる。
ばか者は、周囲から「そんなの無理だ」「できっこない」と言われても、信じて突っ走ることができるからだ。
私はこの考えには、概ね共感する。
玄米デカフェの価値を本当にわかってくれる人は、もしかしたら食品とは関係ない、工業系の製造の人かもしれない……などとも想像する。
また、世にまだないものを売っていくためには、世間的に「ばか者」と言われる位のほうがいいのでは、と思っている。大きな挑戦であるため、保守的な考えの方は最初から無理であろう。
だから、ぜひバイタリティーのある若い人に、よそ者とばか者になって挑戦してほしいと本気で願っている。男女は問わない。
————玄米デカフェにおける未来図は、かつて単なる青写真だった。
こうなったらいいなという、ぼんやりした願いでもあった。
しかしながら、今、私の中では、確実に色味を帯びてきている。
MNHの創業以来の、この大チャレンジを「おもしろそうだ!」と感じた方。
世界に打って出る商品の未来を、一緒に切り開いていきたいと思った方。
そんな方に、一緒になって我々の未来図に色を付けてほしい、と切に願っている。